久保研究室

ポスト「京」萌芽的課題「基礎科学の挑戦」

東北大学久保研究室(マルチフィジックス・マルチスケールシミュレーション)では研究室見学、相談を随時受け付けています。

トライボロジー

航空・宇宙機器・自動車用トライボロジーシミュレーション

燃料電池シミュレーションの研究目的

   トライボロジーは航空・宇宙機器、自動車、半導体、ハードディスクなど分野を超えた多岐にわたる技術のカギを握るキーテクノロジーです。一方で、自動車をはじめ様々な工業製品の中で起こる摩擦によるエネルギー損失は国民総生産(GDP)の3%とも言われ、また自動車におけるエンジン出力エネルギーの約30%が摩擦に消費されています。このため、摩擦によるエネルギー損失を低減させることが、エネルギー問題解決のために強く求められています。この問題に対し、これまで機械工学分野では、連続体力学を活用した摩擦挙動シミュレーションが広く行われてきました。しかし、最近では摩擦環境下での潤滑被膜による摩擦・摩耗の低減、潤滑被膜の劣化・分解、潤滑被膜の構造や形成過程など、電子・原子レベルでの「摩擦、応力、流体、熱、化学反応」を含むマルチフィジックス現象の理解が重要課題となってきています。
   そこで久保研究室では、トライボロジー分野において、電子・原子レベルでのマルチフィジックス現象の深い理解に基づき、マクロスケールでの機能設計・システム設計が可能なマルチフィジックス・マルチスケール計算科学シミュレーション技術を確立することを目標としています。さらに、新規シミュレーション技術を活用して、航空・宇宙機器、自動車、半導体、ハードディスクなどの様々なトライボロジーシステムの中で起こるマルチフィジックス現象を解明し、トライボロジーシステムの高精度かつ高速なシステム設計・材料設計というブレイクスルーの実現を目指しています。

燃料電池シミュレーション技術の開発

   久保研究室では、これまでに分子動力学法に基づき様々なトライボロジーシステムにおける摩擦係数、トラクション係数などを定量的に予測可能なトライボロジーシミュレータの開発、SCF-Tight-Binding分子動力学法に基づき潤滑被膜の形成反応ダイナミクス、劣化反応ダイナミクスを解明可能なトライボケミカル反応シミュレータの開発など、多種多様なトライボロジーシミュレータの開発に成功してきました。
   さらに久保研究室では、トライボロジーシステムにおいて、(1)「摩擦、応力、流体、熱、化学反応」などが複雑に絡み合ったマルチフィジックス現象を解明可能なマルチフィジックス計算科学シミュレーション技術の確立、(2)電子・原子レベルの第一原理分子動力学シミュレーションからマクロレベルの連続体力学シミュレーションまでの幅広いシミュレーション技術を統合したマルチスケール計算科学シミュレーション技術の確立を目標としています。

燃料電池シミュレーション技術の応用

   久保研究室では、オリジナルに開発したトライボロジーシミュレーション技術を活用することで、下記に示す様々なトライボロジーシステムの機能設計・システム設計を実現することを目標としています。

  • 液体潤滑が不可能な航空・宇宙機器用トライボロジーシステムの設計
  • 環境負荷を低減した自動車用トライボロジーシステムの設計(フランスリヨン工科大学との共同研究)
  • 自動車用無断変速機(トラクションドライブ)のための高動力伝達を実現するトライボロジーシステムの設計
  • ダイヤモンドライクカーボンを活用した超低摩擦トライボロジーシステムの設計
  • 固体高分子形燃料電池における劣化メカニズムの解明と耐久性の向上
  • 潤滑剤の使用が困難なマイクロマシン等における窒化炭素膜を活用したトライボロジーシステムの設計(東北大学足立研究室との共同研究)

本研究内容に関する問い合わせ先

トライボロジーシミュレーションとトライボロジーシミュレータに関するお問い合わせは下記まで。

教授 久保百司
〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-11-701
東北大学大学院工学研究科附属エネルギー安全科学国際研究センター
マルチフィジックス計算科学研究分野 久保研究室
(教授室)TEL: 022-795-6930 FAX: 022-795-6931
(研究室)TEL: 022-795-6933
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